ミャンマーウオッチ2020年6月号 No.14

2020年6月19日発行

ミャンマーウオッチは、任意団体「ミャンマー研究会」が毎月発行する月例ミャンマー報告です。急速に発展してきているミャンマーの今を5分で理解できるようにまとめてあります。

合同会社あうんは、この月例報告の作成をお手伝いしております。また、弊社のサイトにはバックナンバーもまとめてありますので、これまでの動きも確認することができます。

【政治】

野党USDPと国軍は下院議長の不信任決議案を提出するなどNLDとの対決姿勢を深めている。

選挙管理委員会は、総選挙を2020年末に実施すると具体的な日程は特定せずに発表した。これを受けて各政党は総選挙に向けて候補者選びを活発化している。

用語の変更のみで実質的な変更を伴わない憲法改正案が3月に可決されたことを受けて実施する必要があった国民投票は実施されないことが決まった。

4月までの実施が予定されていながらもコロナの影響により延期されていた、少数民族武装勢力との和平会議を7月末、8月初旬に開催する方向で調整が行われている。

【経済】

大統領府は、今年度給与増額分の10%の税額控除、給与増額分の125%の損金算入、設備投資額の10%の税額控除、設備投資額の1125%の一括償却等からなる税の軽減措置を発表した。

政府はIMF、世銀、ADB、および日本政府から合計12億5千ドルの融資を受けた発表した。

【社会生活】

長距離バスや国内線の運航再開など社会生活は再開されてきているが、海外からの帰国者から陽性患者が確認されていることもあり一連の感染予防措置が6月末まで延長された。

【国際関係】

子どもと武力紛争に関する国連事務総長年次報告書においてミャンマーが子ども兵士採用国リストから除外された。

政府は国際司法裁判所にジェノサイド防止に関する報告書(非公開)を提出した。

【中国】

外交樹立70周年を記念し習近平国家主席とウィンミン大統領はメッセージを交換した。

新型コロナの影響を理由に債務返済猶予を発表したが、会計監査院長は金利の高い中国融資に依存することを批判した。ミャンマーの対外債務100憶ドルの40%は中国からの融資である。

【人道援助】
【軍部】

国軍は、ラカイン州北部における治安悪化を受けて、軍による統治の必要性を主張している。

国軍は、和平の枠組みに組しないワ州連合軍やKIOに対して感染予防用品を支援した。

【少数民族】

アラカン州北東部でアラカン軍と国軍の対立が激化している他、北西部バングラデシュ国境ではロヒンギャ武装組織による散発的な襲撃が生じた。

アラカン軍は、政府機関および国軍のアラカン州からの撤退を要請する声明を発表した。

少数民族政党は総選挙を前に連携を模索する動きを活発化してきている。

【労働者】

法律の規定により2年に1度実施される最低賃金の見直しのプロセスが遅れている。

【学生】

学校は7月21日から再開される予定。

【市民社会】

インド系住民の間で「カラー(蔑称)と呼ばないで」キャンペーンが実施されている。

ミャンマー:新型コロナウイルス感染症情報
感染状況(6月18日現在)累計患者数263名、死者数6名、回復患者数185名

ミャンマー国内での中国国境(!)の隔離施設に勤務する医療従事者が新型コロナに感染していることが確認された以外は、渡航歴の無い陽性患者は5月中旬に以降確認されていない。感染者のほぼすべてが海外からの帰国者となっている。このような状況から、ミャンマー政府は国内での感染を抑え込むことができたと分析している。(詳細は保健スポーツ省による最新の感染状況報告参照)

行動制限 新型コロナ対策行動制限措置が、6月30日まで延期

ミャンマー政府は3月中旬に発表した新型コロナ対策のための行動制限措置を6月30日まで延長した。これには5人以上の集会の禁止や宗教集会を含むイベント開催の禁止等が含まれているが、公的業務等は既にこの制限の対象外とされているなど、ほぼ有名無実化している。

スポーツ保健省は、6月14日にヤンゴン市マヤンゴン区に出されていた自宅待機要請を解除した。これによりヤンゴン市インセイン区のみが未だに自宅待機要請地域に指定されている。ヤンゴンへの入域には制限はないようであるが、国内移動に際しては移動先の地域により対応が異なるようである。感染指定地域からの入域者には防疫隔離を要求したり、居住する地区が発行する居住証明書の携帯や、入国者には防疫隔離終了証明書等の提出を求めたりする地域もある。

保健スポーツ省は、ステイホーム、人が密集するする場でのマスクの着用、社会的距離の確保等を重点的に要請している。

出入国対策

感染症対策が6月末まで延長されたことにより、入国制限国の指定、アライバルビザ、eビザの発給停止、入国者の防疫隔離(施設隔離3週間、自宅待機1週間)、発給済みビザの効力停止措置も6月末まで延長された。国際線運行停止も6月末まで延長された。運行再開後の外国人入国に関する防疫隔離方針について一部民間報道機関が報じていたが、具体的な対策については公式には発表れていない。

最近確認されている陽性患者のほぼすべてが海外帰国者である。5月中旬以降大量の出稼ぎ労働者がタイから帰国したが、懸念されていたほど陽性患者は確認されなかった。一方インドからの帰国者からは、大勢の陽性患者が確認されたため今後の緊急フライトの予定が経っていない模様。バングラデシュから非合法的に入国した者からも陽性患者が確認されたため、非合法的に入国した者および、そのことを知りながら受け入れた者を処罰すると対策本部は発表した。

経済対策

ミャンマー政府は新型コロナの影響にもかかわらず、海外からの投資は今年度の目標に達するなど楽観的な見方をしているようである。このため政府が4月末に発表した経済対策方針に基づき、実施する対策も新たに発表された者は、大統領府による税額控除等からなる税の軽減措置程度である。4月に応募が締め切られた1000憶チャットの緊急融資は、応募した約4000社の内、約3000社に対して850億チャットが貸し出された。第2回目の融資の募集も実施されるようであるが、日程は未定。また低所得者向けの現金給付策の話も取り沙汰されているが、具体的な話はない。

 旅行業については、国内旅行から開始し、A.S.E.A.N.地域内での旅行需要の喚起を図った後、様子を見て日本を含む東アジア諸国からの観光客の受け入れを開始する方向で戦略を立てている模様。

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