ミャンマーウオッチ2020年8月号 No.16

【政治】 選挙管理委員会は、8月上旬で締め切った総選挙の立候補者の審査を進めている。国籍条項や、海外居住歴が厳格な審査の対象となり、イスラム教徒などが審査で不適格とされている。

選挙管理委員会が厳しい批判にさらされている。7月後半に公示された選挙人名簿に全国規模で多くの間違いが指摘され、急遽公示期間を1週間延期するなど、信頼が失墜している。

NLD政権の公約である国民和解を達成するため21世紀のパンロン会議が開催され、憲法を改正して連邦制を樹立する旨の合意文章に調印した。合意文書に憲法改正を盛り込むことに成功したものの、具体的な連邦制の在り方をめぐっては、各勢力間の溝は埋まっていない模様。

【経済】 政府は、低所得者への現金給付、農業、養殖業者へ支援策の実施、中小企業者への融資など、立て続けに4月末に制定された新型コロナ経済対策を実施している。

日本との投資ダイアローグの中で、ミャンマー政府はヤンゴン西部工業団地およびモン州における新たな経済特区の計画を明らかにした。

【社会生活】コロナ規制は8月末前延長されたが、集会の禁止は30人以上にまで緩和された。

8月中旬、ラカイン州シットエ市内で感染経路不明の陽性者が確認されたのを皮切りに、多くの経路不明な陽性者が確認され、シットエ市はセミロックダウン下にある。

【国際関係】【中国】7月後半、在ミャンマーアメリカ大使館公使による中国のミャンマー・東南アジア政策に対する批判とそれにたいする中国の反論という批難合戦の渦中にあって、ミャンマー政府及び軍は「中立」的な立場であることを、それぞれ表明した。

【軍部】国軍総司令官は、国家防衛治安評議会を開催しないスーチー氏を独裁であると非難したり、国内和平が成立しない責任は、軍だけでなく現政権にもあると批判したりするなど、スーチー政権への批判を強めている。また、8月中旬に総司令官は一部政党と会談を行った。この会談で政党から次期選挙で不正があった場合の国軍の対応について質問が出た模様。

【少数民族】中国国境の主要武装勢力であるワ州連合軍やカチン独立機構など政府と和平合意協定を締結していない少数民族武装勢力は、21世紀のパンロン会議にアラカン軍が招待されていないため、コロナ対策による移動制限を理由に、この会議への不参加を決めた。

【労働者】臨時便の利用許可や、事前研修再開など海外出稼ぎ労働者の送出し再開に光明が見えてきた。

【学生】7月末よりコロナ対策検査に合格した高校の授業が再開されたが、小中の再開はまだの模様。

【市民社会】ラカイン州北部で継続していたネット遮断が終了したが、通信速度は未だに極めて遅い。

大勢のアーティストを使い、アウンサンスーチー氏の暗殺を軍が直前で防ぐというドラマ仕立てのMTVが公開された。その内容はいま信条による対立を乗り越えて、国民は一致団結すべきと言うまっとうな内容であったが、スーチー信奉者からの激しい批判に合い、動画が削除された。NLDを批判する者に対する不寛容が広がっている。

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