ミャンマーウオッチ2020年5月号 No.13

ミャマーの今を5分で理解 ミャンマーウオッチ5月号

2020年5月19日発行

ミャンマーウオッチは、任意団体「ミャンマー研究会」が毎月発行する月例ミャンマー報告です。急速に発展してきているミャンマーの今を5分で理解できるようにまとめてあります。

合同会社あうんは、この月例報告の作成をお手伝いしております。また、弊社のサイトにはバックナンバーもまとめてありますので、これまでの動きも確認することができます。

【政治】

 政府及び軍関係者がヘイトスピーチの予防に取組むことを命じる命令が発布された。

 少数民族武装勢力と新型コロナ対策を話し合う委員会が設置され、停戦合意を結んでいる武装勢力グループとオンライン上で協議を行い、感染症予防での協力で合意した。

 政府報道官は総選挙について質問され、予定通り11月の開催に変更はないと説明した。

【経済】

政府は新型コロナウイルス感染症対策として経済対策をまとめ発表した。(下記参照)

中央銀行は参照レートを7%に利下げした。3月以降3度目の利下げとなる。       

【社会生活】

新型コロナ対策、特に施設隔離に協力する国民ボランティア隊が組織された。国民や企業による地方政府や隔離施設に対する寄付が毎日のように報道されている。

【国際関係】

ドイツはガバナンスの欠如を理由にミャンマーとの二国間援助を打ち切る方針を発表した。

EUはミャンマーを資金洗浄のブラックリストに追加した。

EUは失業した縫製工への生活費として現金給付を行う基金を設立した。その他、中国や国連機関以外では韓国やベトナムによる支援がミャンマーでは大きく報じられている。

【中国】

人民解放軍もミャンマー国軍に対して感染症対策専門家チームを派遣したり、アリババ公益基金も支援物資を提供したりするなど、中国による官民を挙げた積極的な支援が続いてる。

【人道援助】

新型コロナ検体輸送中のWHO職員が襲撃され死亡した。また、支援物資を輸送していた別のWHOのトラックが襲撃された。政府はアラカン軍による犯行だと非難している。

政府はUNHCRとUNDPとのロヒンギャ帰還に向けた協力についての覚書を1年間延長した。

【軍部】

国軍は新型コロナウイルス感染症対策の全国的な実施を理由に、非合法化された組織を除く、国内の少数民族と8月31日まで一方的に停戦すると発表した。

アラカン軍との関係を疑われた市民に兵士が暴行を加えている動画が流出すると、軍は即座に暴行に関与したものを処罰すると発表し、これを認めた。

【少数民族】

アラカン軍を含む北部同盟を結ぶ3つの武装勢力も5月末までの停戦を表明しているが、ラカイン州北部では政府軍との戦闘が継続し市民が犠牲となっているほか、国境付近ではロヒンギャ武装集団ARSAとの対立も生じている。

少数民族武装勢力も帰国者に対する防疫措置でミャンマー政府に協力しており、上記の特別委員会との個別協議も開始されている。ただし、KNUなどは軍の停戦には懐疑的である。

【労働者】

労働組合連盟によれば、新型コロナの影響によりヤンゴンで6千人教の労働者が解雇された。

【学生】

特記事項なし

【市民社会】

昨年よりネットが遮断されているラカイン州北部の内、マウンド―市においては、5月1日よりネットが再開した。

ミャンマー:新型コロナウイルス感染症情報

感染状況(5月18日現在)累計患者数187名、死者数6名、回復患者数97名

ミャンマーでは3月後半に海外からの帰国者から感染が広がり、4月中旬には毎日のように10名以上の新規感染者が確認されていた。4月後半以降は感染者数の増加は小康状態が続いていたが、最近はマレーシアからの帰国者から陽性患者が複数名出るなど、海外からの帰国者による第2派が懸念される。感染者が一番多い地域はヤンゴンで、全体の約8割を占める。(詳細は保健スポーツ省による最新の感染状況報告参照)

行動制限 新型コロナ対策行動制限措置が、5月31日まで延期

ミャンマー政府は3月中旬に発表した新型コロナ対策のための行動制限措置を4月末から5月15日に延長していたが、この措置をさらに延長して5月31日までとすると発表した。4月中旬には感染者が多く出ている地域では地区間の移動が制限され、自宅待機を要請する封鎖措置が取られていたが、保健省は、過去21日間に新規陽性患者が確認されていないことなどを含む5つの緩和基準を示し、一部の対象地域でこの措置を解除した。また4月中旬に出されていた夜間外出禁止令は、ヤンゴンを除く地域では外出が制限される時間が、午前零時から午前4時までへと緩和された。

新規感染者数の減少が続き、一時人が消えた街に、人が戻ってきている。多くの地域で外出時のマスクの着用が義務化、5人以上の集会が禁止されていが、マスクの着用は徹底されていない。日用品等を扱う店舗も再開されるようになってきているが、店内での飲食の許可については地域により差がある。

一部長距離バスや国内線が再開されているが、地域を超えての移動には制限が課せられており、感染地域からの入域者には隔離措置が取られている。地域内の地方バス路線は再開された。

出入国対策

ビザ停止措置が5月末まで延長され、入国外国人に対する施設隔離措置も継続中。国際線運行は原則5月末まで禁止。多くの航空会社は運行再開を7月1日としている。(全日空は6月16日)

新型コロナ感染症の影響により海外で生活苦に陥っている国民の帰国が続いている。政府はタイからの帰国を5月1日まで控えるように要請していたが、5月1日以降もタイ国内での移動制限により帰国者数は限定的。一方中国からの出稼ぎ労働者の帰国は進んでいる。また、政府は臨時便を手配し、日本、韓国、シンガポール、アメリカ、英国等からの帰国希望ミャンマー人の帰国を手配している。帰国者全員が隔離対象となっている。

経済対策

ミャンマー政府は、金融政策によるマクロ経済環境の改善、緊急融資等による民間企業への影響軽減、労働者への影響軽減、家計への影響軽減、革新的な商品やサービス振興、医療体制の拡充、新型コロナ対策基金の拡充の7つの目標からなる経済対策を発表した。経済対策には、先月報告した各省庁による措置の他に、中央銀行による参照レートの切り下げや、既に発表されていた緊急融資基金を最大5000億チャットまで増額、各省庁予算の10%を新型コロナ感染症対策への組み替え等が含まれている。

緊急融資については、すでに申し込みが4月9日に終了しており、約4200社が申し込みを済ませたが、これまでに3回に分けて、約300社に130億円が貸し付けられたのみで、支援は限定的である。

なお、合同会社あうん「新型コロナ感染症情報」ページでは、現状をもう少し詳しくまとめてあります。

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