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通訳の見分け方1

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通訳の見分け方1

ミャンマー語翻訳通訳専門合同会社あうんの細川です。前回は「上手な通訳の使い方」についてご説明しました。今回は通訳の見分け方についてです。通訳を依頼すると通訳会社から、通訳者のプロフィールが送られてくると思います。その時、まず何に注目されるでしょうか?

日本で稼働している日本人ミャンマー語通訳者の数はごくわずかであるため、恐らく最初にチェックされるのは、通訳者の日本語能力ではないかと思います。

日本語能力検定試験1級合格者を過信するな!

日本語能力を測るうえで、確かに日本語能力検定試験は有用です。しかし、日本語能力が高いということと、正確なミャンマー語通訳が出来るということには、相関関係はありません。

もちろん日本語能力がなければ、通訳はできないため、日本語能力は必要条件です。しかし、必要十分条件ではありません。通訳には、日本語能力以上のスキルが求められています。

前に日本の大学院に留学されている留学生の通訳を聞いたことがあります。その方は、日本の大学の大学院に留学されているくらいですから、日本語能力に問題はありません。もちろんミャンマー語はネイティブです。非の打ち所がないと思われるかもしれません。

でも、実際に脇で聞いていると、上手く通訳できていないところが出てきます。通訳者も人間ですから、間違います。上手く通訳できない時もあります。それは仕方がありません。問題は、大切な所で間違うのです。むしろごまかすと言った方がいいかもしれません。

日本語の理解力を探れ!

なぜこのようなごまかしが起きてしまうかというと、それはその通訳者が日本語を正確に理解できていないからです。日常会話レベルでは、何の問題もなく意思疎通できますが、通訳を使わなければならないような、専門的で高度な外国語での発話をきちんと理解するのは、並大抵の努力ではできません。日本人同士ですら、良く内容がつかめないのに、外国人がそれを正確に理解するのは、難しいのが当たり前です。

通訳なんて、日本語から外国語に言葉を置き換えているだけだから、別に理解できなくても問題ないのではないかと思われるかもしれません。前回の「上手な通訳の使い方1」でも解説しましたが、通訳は言葉を置き換えているだけではありません。話された内容を理解し、それを記憶にとどめ、そして再び表現するのです。

話された内容を正確に理解できるかどうかは、日本語の理解力の問題です。

日本語を正確に理解できているかどうかには、二つの側面があります。一つは、その発話の意図を正確に理解できるかどうか。これができるためには、日本の社会文化を理解しておくことが必要です。もう一つは、専門用語をはじめとする単語の意味を正確に理解しているかどうかです。これは日本人でも難しく、事前に十分に準備するしか対策がありません。

ミャンマーでの社会人経験もなく、日本に来てまだ数年しか経っていないような方は、日本の社会文化についての経験が浅く、良く理解できていません。そのため発話の内容をきちんと理解する際に問題になることがあります。また、専門用語についても、外国語であるためニュースなどを通じて、その単語に触れる機会は当然日本人より低くなります。

質問する通訳は、良い通訳!

日本語検定1級者だというだけでは、良い通訳かどうか分からないというのであれば、一体どうやってその通訳が上手か下手かを判断すればよいのでしょうか。

自分が話した内容を聞き返す通訳は、良くできない通訳だと思われるかもしれません。通訳なんて、俺の喋ったことを、そのまま訳せばいいんだよ!

でも、その通訳は良い通訳だと思います。その理由は、通訳者は話された内容を正しく理解しようと努めているからです。通訳という作業の始まりは、話された内容の理解です。その理解を誠実に行うことができるか否かが、通訳者の質の70パーセントを構成します。

もし通訳者が理解できていないと、彼が通訳する内容は、あなたが意図した事ではなく、全く別のないようになってしまっているはずです。

誠実な通訳者は、きちんとした仕事をしようと、必死で質問してくるはずです。逆に、日本語だけ上手で、あまり誠実でない通訳者は、「わからない」というのが恥ずかしいので質問しません。

どちらの通訳があなたの見方か、もうおわかりですね。

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